異種金属AとBを接触させると、イオン化傾向の大きい金属Aが溶解する代わりに、金属Bが防食される原理を利用しています。この時、AからBに電気が流れます。
溶解する金属は犠牲陽極と呼ばれ、海水環境では主にアルミニウム(Al)合金の製品が使用されます。
アルミニウム合金の耐用年数は任意に設定することができますが、一般的には10年毎で50年までの製品が採用されます。
電気防食は、水に浸漬している環境であれば適用可能ですが、浸漬の程度によって防食効果への影響があるため、一般的には平均干潮面(M.L.W.L.)以深で設計されます。
施工は、クレーンで吊り下ろした陽極を防食対象近くまで運搬した後溶接します。
電気防食の効果は、対象物の電位を計測することで判定することができます。
判定基準は、海水塩化銀照合電極を使用した時の防食電位:-780mV以下となります。