発電所・工場設備
発電所や各種工場には海水や工業用水を取水しこれを冷却水として用いる機器等が多種多様設置されており、これらの設備並びに機器等の防食には電気防食法が不可欠です。
また、海水ラインにある設備や機器に海洋生物が繁殖付着し、ライン内が閉塞されたりするのを防止するため、海水を電気分解して次亜塩素酸を発生させる防汚装置(海洋生物付着防止装置)が取り付けられています。
日本防蝕では、豊富な実績に裏付けられた綿密な設計をもとに、最適な防食・防汚法を提供致しております。
電気防食法
海水取水管、取水先機
海水取水管、取水先機は海水中に設置されるため、内外面の防食が必要となります。
外面の防食には設備の規模、防食施工環境等の諸条件を検討したうえで流電陽極方式または外部電源 方式を採用します。
流電陽極にはアルミニウム合金陽極“アラノード”及び亜鉛合金陽極“ジンノード”を、また、外部電 源方式の電極には、主にMMO(金属酸化物被覆)電極、白金チタン電極を使用します。
除塵装置(スクリーン)、ストレーナ、除貝装置
除塵装置、ストレーナ、除貝装置は一般にステンレス鋼の本体と鋼製支持材で構成されていますので、両金属間で異種金属接触腐食(ガルバニック腐食)が起こり易くなります。
また、ロータリースクリーンや開閉式ストレーナなど可動部を有するものもあります。これらの装置の防食には設備の規模や機能、隣接する設備への影響等を考慮したうえで流電陽極方式または外部電源方式を採用します。
流電陽極には、“アラノード”及び “ジンノード”を用意しております。また、外部電源方式では自動定電位方式が多く採用されており、電極には主にMMO(金属酸化物被覆)電極や白金チタン電極を使用します。
循環水ポンプ
循環水ポンプ内部では海水の流速が数メートル/秒にもなるため、ポンプ内部は過酷な腐食環境にさらされます。特に、高速で回転するインペラ周辺では激しい乱流に伴うキャビテーションと呼ばれる腐食が発生します。
日本防蝕はこのような過酷な腐食環境における防食にも豊富な実績があります。
循環水ポンプの防食には主に外部電源方式を採用し、電極には主としてMMO(金属酸化物被覆)電極や白金チタン電極を使用します。
循環水管内面
循環水管内面では常時約2メートル/秒で海水が移動しており過酷な腐食環境にあります。また、循環経路の途中にはステンレス製のストレーナや除貝装置等が、端部には銅合金やチタン合金を有する復水器が設置されており異種金属接触腐食(ガルバニック腐食)に侵されやすい環境にあります。
日本防蝕は豊富な実績に基づき、このような周囲の装置・機器からの影響を正確に把握したうえで最適な電気防食法を提供致します。
なお、流電陽極には“アラノード”又は“ジンノード”を、また、外部電源方式の電極には、主にMMO(金属酸化物被覆)電極、白金チタン電極を使用します。
復水器
復水器は一般に水室は鋼製で、冷却管と管板は銅合金或いはチタン合金、又はこれらの組み合わせで 構成されており、水室が異種金属接触腐食(ガルバニック腐食)に侵されやすい環境にある一方で、チタ ン合金を過度に防食すると水素脆化を引き起こす危険があります。このような復水器を適正に電気防食す るには正確な電位コントロールが必要です。
日本防蝕では、電位を検出する照合電極と高性能な定電位回路を組み込んだ電源装置により最適な電気防食技術を提供致しております。 また、双極鉄電極と定電位・定電流制御電源装置とから構成される電気防食と鉄イオン発生の両機能を 持った防食装置を開発し、環境汚染の心配がない復水器の防食装置も提供しております。
熱交換器
熱交換器は蒸気の凝縮や高温水の冷却、或いは化学反応プロセス中の吸熱など様々な用途に幅広く利用されていますが、いずれも海水や工業用水を冷却水として使用していますので水室や管板並びに冷却管は厳しい腐食環境にさらされます。
このような熱交換器にも電気防食法は不可欠です。
流電陽極には“アラノード”又は“ジンノード”を、また、外部電源方式の電極には、主にMMO(金属酸化物被覆)電極、白金チタン電極を使用します。